都市ボーイズ 早瀬康広「幸せのおまじない」

島田秀平のお怪談巡りから

 

早瀬「この話っていうのが、もともと岡山に住んでる母親から聞いた話で、僕の実家も岡山なんですけども、

母親にこの話だけは誰にも話すなって言われてる話なんですけど、ちょっとここで話させてもらいます。」

 

島田「え、笑 それをテレビでも話したし、今から皆さんにも話しちゃうってことですよね?」

 

早瀬「はい、で、ちゃんと縁切られてます。その後 話したんで笑」

 

島田「えっ!?お母さんから?」

 

早瀬「はい。全く連絡しても返ってこないですし、うちの奥さんに急に、『アンタのとこのアイツ(早瀬)はもう面倒見きれんから。』っていう風に連絡が行って。名前も呼んで貰えませんでした。アイツって感じで呼ばれてて。っていう曰くがあるお話なんですけども笑」

 

島田「もう怖いです。」

 

岸本「ははは笑」

 

早瀬「この話っていうのが、岡山に30年程前にですね、『先生』と呼ばれる霊能者の方がいたんですね。その霊能者っていうのが何をしていたかっていうと、鑑定して少し先の未来が見えるとか。そういう話をしていたんですね。

でも最初の方はやっぱり上手くいっていなくって。っていうのも、もう30年前はオカルトとか心霊とかっていうのはあまりよく思われていないっていうのがあって、『気持ち悪い』とか『嘘つきだ』とか言われていたんですけども、それが何故『先生』と言われるようになったかというと、バシバシ当てていくんですね。」

 

島田「その方っていうのは、男性?女性?」

 

早瀬「女性で、50代くらいの方なんですけども。」

 

島田「へえ。じゃあ霊能力というか霊視ができる・・・」

 

早瀬「そうなんですよ。尚且つ無料なんですよ」

 

島田「良心的というか」

 

早瀬「はい、無料で占ってくれる。それで『先生、先生』って呼ばれるようになったんですけども、その先生がある日、年齢も性別も違う10名ほどを家に集めて、その10名の中に高校生だったうちの母親がいたんです。そこで何を話すのかな?と思ったら、

先生が『実はね、私病気を患っちゃってね。病院行ったらあと数ヶ月じゃって言われたんよ。もう亡くなる運命なのよね。その時に思い浮かんだのが皆んなの顔よ。私がいる時は困った時は見てあげられたけども、だけれど私がいなくなった時は多分ね、悲しいし不幸になっていくと思う』」

 

島田「アドバイスできないですもんね?」

 

早瀬「そうんんですよ。『だから今日は“幸せのおまじない“っていうものを、皆さんに教えてあげようかなと思いまして。』で、その時にお手製のお札と、呪文みたいなものをみんな頂いて家に帰ったんですね。なんですけど、母親はちょっと怖くって呪文も唱えてないですし、お札も家に貼ることはなかったんですね。多分高校生ってのもあって。で、数週間後ですかね。また先生からお呼びがかかって、集まったのはまた同じメンバーだったんです。そしたら、たった数週間だというのにガリガリに痩せて、1人で歩けなくなって杖をついていたんですね。で、椅子にどかッと座っていて。で、先生が

『ありがとね。皆んなありがとね。皆んなお札貼ってくれた?ちゃんと呪文も唱えてくれた?ありがと、ありがとう。ちゃんと声出してくれた?あ、ありがとうね〜〜。

あ〜〜、じゃあ、皆んな〜皆んな、死ぬわぁ。』

って言ったんですよ。」

 

島田「・・・えっ?」

 

早瀬「いや幸せのおまじないじゃないのって」

 

島田「お札貼って、呪文唱えたら皆んな幸せになれるってやつですよね?」

 

早瀬「はい。

『皆んな、皆んな、み〜〜〜んな死ぬからね』

っていうんですよ。え?ってなって。訳わかんないじゃないですか。

『いやねぇ、ごめんねぇ。おまじないっちゅうのはね、狂って死ぬっていう、そういうおまじないなんよ〜。で、地獄に皆んな落ちるからね。ごめんなさいねぇホントに』

って笑いながらいうんですって。なんでそんな事すんの?って思うじゃないですか。そしたら先生が語り出して、

『あのね、数週間前に私体壊したって言ったでしょ。だからね、ここにいる数人にね。ちょっとお金貸してくれないかなって相談したのよ。そしたらなんて言ったと思う?このペテン師がって言ったのよ。私お金なんて一銭も取ってないのに、なのに私のことペテン師って言ったんよ。許せんなと思って、だから皆んな皆んな皆んな呪い殺したろ思ってな。でも普通に呼んで来るわけがないから、幸せのおまじないじゃ言うたら皆んな来るだろう。じゃけん皆んな同じと道連れにさせてもろたわ。だから、

みんな、みんな、みんな、みんな、み〜〜〜〜〜んな呪い死ぬからね!

って言うんです。

『でね、私は今1人で 騙しちゃったし、地獄にも落ちるわ。でも今は寂しいかもしらんけども、これ地獄に堕ちたらええんよ。み〜んな一緒やからね。み〜んな一緒だから全然寂しくないわ。万歳!万歳!万歳!万歳!!!

って言ったんです。そしたら皆んな怖くなって。で、家からばーーーっと出ちゃったんですよ。でももう老体で、1人で歩けないっていうくらい衰えていたのに『ばんざーい!ばんざーい!ばんざーい!ばんざーい!』って言う声が家出てもずっと聞こえていたんです。どんだけおっきい声出せたんだっていう。で、怖いな〜って思っていたんですけど母親は他の9名がどうなったのかは分からないっていう。でも母親は、お札も貼っていない呪文も唱えていないんで、死ぬこともなく健康で。先生は、余命そのまま数ヶ月に亡くなってしまったっていうお話ですね。はい。」

 

島田「でも皆んなに幸せの呪文だっていう嘘をついて、自分が本当に困った時に、力になってくれなかった事に対して恨みを持って、呪いの言葉を言わせてたっていう」

 

早瀬「そうですね。はい。毎日毎日。」

 

島田「実際にその、お母さんは無事だったんですけど」

 

早瀬「そうですね。」

 

島田「他の方達は皆んな、毎日のように唱えてしまっていたんですよね?」

 

早瀬「はい、そうですね。えっと、高校生なので調べようが無かったので、どうなったのか分らないって言ってましたね。」

 

 

早瀬「で、その・・・放送ではここまでだったんですけど(この話は怪談グランプリMVPの話で、その番組や、マツコの知らない世界でもこの話をしていたのですがここまでしか話していませんでした。)まぁ、実は続きがあって。

母親に、まぁここまでだったら言うなって言ったって、別に縁とかは切られないと思うんです。実は、母親はその先生が呪いのおまじないを教えてたっていうのを元々知っていたんですよ。」

 

島田「え・・・っ?どういうことですか?」

 

早瀬「母親は実は知っていたんです。先生が騙してその約10人を殺そうとしてたのを知ってたんです。」

 

島田「えっなんで?」

 

早瀬「母親はずっとその先生に『すみません、実は学校でいじめられてて』っていう相談をしてて、そしたらその先生が『じゃあ私、今度みんな呼んで、みんなが死ぬおまじないを教えるからそのいじめてる奴連れて来い』って言ったんですよ。そしたら母親は、幸せのおまじないっていうのを先生が教えてくれるから来ない?今話題の〜って言うて、その場所に呼んで。

そのいじめっこと一緒に幸せのおまじないを受けてて、だから実はこうなんですよって言う時も、母親は横にいるいじめっ子がどんどん顔の色が青くなっていくのもクスクス笑いながら見てたっていう話なんですよね。」

 

島田「・・・ええええ」

 

早瀬「で、その・・・そういう同じ恐怖体験をしたんで母親は。なんかわかんないですけど、その後仲良くなったんですって。あの時は怖かったね〜〜とかって言って。で、いじめられなくなったんですよ。仲良くなっちゃんたんですね。で、どうしよう?これって言った方がいいのかな?って思っていたら、その先生が亡くなった日にその友人も亡くなったんですよ。」

 

島田「ええ!!!???」

 

早瀬「本当に変死みたいな。なんでこの子が亡くなったの?っていう。別に病気でもなく、部屋で急に亡くなっていたんですって。だから、言えなかったっていう。ずっと本当に責められてるみたいで、あの子を殺したのはお前(早瀬の母親)じゃないかって。葬式も行ったんですけど、あの時言えなくて全然。怖くって、どうしようって思ってて。で、僕がそういう話を集めてるって言ったから、ちょっと自分の・・・隠してるそういう気持ちとか、話とかっていうのを聞いて欲しかったって言うて、敬語『お願いだから聞いてください』って言って教えてもらったって。それを、(テレビで)言っちゃうっていう。」

 

島田「・・・・〜〜〜っ」

 

早瀬「勝負かかってたんで、怪談グランプリ。どうしても優勝したくって。」

 

岸本「ふふ笑」

 

早瀬「以上です。笑」

 

島田「以上ですって!清々しい顔で言われても・・・。(岸本さんへ)どうですか?相方さんがこんな・・・」

 

岸本「いやーー、僕は慣れっ子なんですけど、コイツ(早瀬)の話ってのは基本的に最後はコイツが怖いなって終わることが多くって。」

 

島田「はははは笑」

 

早瀬「清々しい!」

 

島田「清々しくないですよ!」

 

岸本「怪談の内容よりも、アレ、コイツの方がヤバいんじゃねって事が多い・・・」

 

島田「すみません。最後ババババッって最後来たんで!情報量多くて、

一個一個確認させていただきますと、

お母様はその日、これを言って覚えてしゃべってしまったり貼ったりすると亡くなってしまうんだ。呪われてしまうんだって分かってて、お友達を連れてったんですよね。で、そのお友達は、それを唱えたんですよね。そしたら亡くなってしまったんですよね。」

 

早瀬「先生が亡くなった日に亡くなってしまいました。」

 

島田「ってなると他にいた9人くらいの方達も・・・」

 

早瀬「はい。そうですね・・・」

 

島田「って考えちゃう。」

 

早瀬「その先生がかなり有名で、県外からも来てたので誰が誰だか分からないんですって。結構お婆さんもいたし、お爺さんもいたし、若い人もいたし。この町にいたら顔は知っているんですけども、もう町の外から来てるんで誰が誰かも分からないって言ってましたね。だから知り合いっていうと、自分が連れて来たその殺したかった友人しかいなかったって言ってました。」

 

島田「・・・なんか・・・・・・今日はありがとうございました!って感じで終われるかと思ったら・・・」

 

岸本「ははは笑」

 

島田「すごいなんか重たーーい物を置かれてく・・・」

 

岸本「嫌なものを背負わされていく感じですよね」

 

島田「ありがとうございました・・・」

 

 

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